日野祭りの出会いから生まれたクラフトビール、ヒノブル―イングに行ってきた!

HINO BREWINGの猪のキャラクター

滋賀県の日野で生粋の祭り好き集団がつくる、「ヒノブル―イング(HINO BREWING)」のクラフトビールを飲みに行った。

目次

ヒノブル―イングのクラフトビールが飲める、酢屋忠本店

HINO BREWING(滋賀県)

踊っているイノシシのイラストが特徴的。ボトルでヒノブル―イングのラガーとスタウトを飲んでから気になっていたブルワリーだ。

ヒノブルーイングがあるのは滋賀県の日野町(ひのちょう)。ここで毎年5月に行われる日野祭が、ヒノブルーイングの立ち上げに大きく関わってくるのだが、そのあたりは後で詳しく触れていきたい。

HINO BREWINGのビールが飲める、酢屋忠本店

ヒノブルーイングのビールは、酒屋である「酢屋忠本店」で飲むことができる。ブルワリー立ち上げメンバーの1人である田中さんは、この酒屋の6代目。

HINO BREWINGのビールが飲める、酢屋忠本店の店内

タップにはヒノブルーイングのビールが6種類つながっている。もちろんその場でも飲めるし、グラウラー等で量り売りで持ち帰ることもできる。

日野祭りとは

ビールを飲むまえに、まずここで日野祭りのことを。

滋賀県日野町にある馬見岡綿向 (うまみおかわたむき)神社の例祭で、850年以上の歴史を持つ大きな祭りだ。毎年、5月2日(宵祭)、3日(本祭)の2日にわたって行われる。

2日の宵祭では、夕暮れ時から各町内の曳山が引き出され、夜遅くまで祭囃子が奏でられる。

日野祭り
引用:日野曳山保存会

3日の本祭は、早朝3時の起こし太鼓から始まる。11時頃には各町内より10数基の曳山が神社境内に勢ぞろい。お昼過ぎには、神子・神調社を先頭に、3基の神輿が行列をなして、御旅所であるひばり野へ向けて出発していく。

日野祭り
引用:日野曳山保存会

曳山から奏でられる祭囃子と、神輿を担ぐ人の威勢の良い掛け声で、この日の日野の町は、祭一色になるそうだ。

日野祭りで出会った3人の創業メンバー

ヒノブルーイングは、創業メンバーの3人が日野祭りを通して出会ったことから始まる。

ヒノブルーイングのメンバー
写真左から、田中さん、ショーンさん、トムさん
引用:HINO BREWING

田中宏明さんは、江戸時代から代々続く酒屋「酢屋忠本店」の6代目で、日野町で生まれ育った。

ショーン・フミエンツキさんは、ポーランド出身。アメリカで知り合い結婚した奥様の出身地が日野町だったことから、日野に移住。家を建てたのが馬見岡綿向神社の氏子地域で、必然的に祭りにも参加するようになったそう。

トム・ヴィンセントさんはロンドン出身。日本文化に興味を持ち移住。日本の地域や企業の魅力を伝えるクリエイティブディレクターとしても活躍している。仕事で各地をまわるなかで、日野町にある近江商人の旧邸宅を気に入り、日野町へと移住した。

ヒノブルーイングが生まれるきっかけは、日野祭りのあとの懇親会での、こんなやりとりだった。

トムさんの「これからどうしていきたいの?」という質問に、「酒屋だから、お酒をつくれるようになりたい」と答えた田中さん。

ショーンさんはアメリカ留学時代に自家醸造の経験があり、「ビールをつくれるよ」と話がすすみ、飲み会の場の軽いノリでスタートしたとのこと。

ヒノブルーイングのクラフトビール

「祭りのときに飲む、地元の日本酒はある。それなら、地元のビールがあってもいいのではないか」という想いもあり、祭り好きによる、祭りのためのクラフトビールをつくっているヒノブルーイング。

そう聞くと、ハレの特別な日に飲むためのビールかと思いがちだが、ヒノブルーイングが目指しているのは”クラフトビールと地ビールの中間”のような、日常のなかで毎日飲んでも飽きないお酒。

個性的な味わいを表現できるクラフトビールの魅力を持ちつつ、地元の人々をはじめ、幅広い人に愛される“美味しいビール”を追求している。

HINO BREWINGのクラフトビール、ワイルドベリーセゾン
ワイルドベリーセゾン(スタイル:セゾン)

いよいよお待ちかねのビールを飲んでいこう。

まずは「ワイルドベリーセゾン(スタイル:セゾン)」を。自社採取した野生酵母を使用したファームハウスセゾンで、エルダーベリーが使われている。エルダーフラワーの実が、エルダーベリー。

華やかさと爽やかさが感じられて、すっきりとした味わい。

HINO BREWINGのクラフトビール、クダリスタウト
クダリスタウト(スタイル:コーヒースタウト)

2杯目は「クダリスタウト(スタイル:コーヒースタウト)」を。

日野祭の曳山が各町内へ帰る時に奏でるお囃子「下り」が名前の由来で、〆のビールとしてクールダウンできるような、コーヒーを使った黒ビールだ。

コーヒーの味わいがありつつ、それでいて重すぎずクリアな味わい。まさに食後のコーヒーのように、〆の1杯としてピッタリ。

最後に

クダリスタウトのように、ヒノブルーイングのビールには、祭りの由来のネーミングも多くある。名前の由来を聞きながら飲んでみると、そのビールがつくられた背景なども知れておもしろいかもしれない。

また、5月2日の日野祭りの宵祭では、酢屋忠本店の近くまで来る曳山を見ながらビールが飲めるとのことで、祭りの期間中にも一度は行ってみたいものだ。

HINO BREWING
住所:滋賀県蒲生郡日野町大窪729番地(酢屋忠本店)
営業時間:毎週金・土曜(12:00 – 20:00)第2日曜(12:00 – 17:00)でビール量り売り・角打ち
定休日:-
Instagram:@hinobrewing
※最新の営業時間等はホームページ、SNS等をご確認ください。

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