長崎県の離島、壱岐のISLAND BREWERYに行ってきた

壱岐、勝本町

長崎県の離島「壱岐」は、福岡県博多港から高速船で約60分、長崎空港から飛行機だと約30分ほど。長崎・福岡・佐賀と合わせて観光できることから人気の島。

そんな壱岐で、「魚に合うビール」をコンセプトにクラフトビールを醸造しているISLAND BREWERY(アイランドブルワリー)がある。

以前オンラインでインタビューさせていただいたISLAND BREWERYと、壱岐の島に実際に行ってきた。

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目次

フェリーで壱岐へ

壱岐島の大きさは、東西約15キロメートル、南北約17キロメートルで、車で30分ほど走れば島の反対側まで着くことができる。

離島ならではの美しい海や、貝殻が砕けてできた天然の白砂のビーチもあり、夏場は海水浴客が多く訪れる。

また、壱岐のグルメも魅力的。玄界灘から水揚げされる新鮮な魚介類に、米や野菜、壱岐牛などの山の幸も有名だ。さらには麦焼酎発祥の地でもあり、お酒も楽しめる。

玄界灘

壱岐へはいくつかのルートがあるが、この日は佐賀県唐津東港からフェリーに乗り、壱岐の印通寺(いんどうじ)港に向かう。天候によっては運行停止する可能性もあるフェリーだが、この日は幸運にも快晴に恵まれた。

壱岐へ向かうフェリー

夕方16時ごろ、印通寺港に到着。壱岐島内はレンタカーで移動する。観光スポットが点在している壱岐。バスも運行しているものの、いろいろと巡りたいのなら壱岐で一泊したり、運転担当を決めたりするなどして、レンタカーを使うのが圧倒的におすすめではある。

クラフトビールが目的の旅行では、レンタカーの運転とビールを秤にかけることも多く、悩ましい問題。

明日の夕方には、博多行きのフェリーで壱岐を後にする予定で、滞在期間としては一泊、一日程度。ISLAND BREWERYに向かう前に、いくつか観光スポットをまわってみる。

猿岩

壱岐の猿岩

印通寺から車で30分弱。「そっぽを向いたサル」に見える猿岩。島の西側にあり、日の入りの時間帯に訪れれれば、岩越に夕陽を眺めることもできる。

双六古墳

双六古墳

双六(そうろく)古墳は、長崎県最大の前方後円墳で、全長91メートル、高さ10メートル。2008年に国の重要文化財に指定されている。こんもり丸く盛り上がっている姿が可愛らしい。

中国の三国志時代に書かれた歴史書「魏志」倭人伝に「一支国(いきこく)」として登場する壱岐は、古くから交易の拠点として栄えていた。長崎県にある約450基の古墳のうち、6割にあたる280基が壱岐にあり、歴史的にも重要な場所だ。

ISLAND BREWERYがある勝本に到着

勝本港

島の北部に位置する勝本に到着。港にはイカ釣り漁船が停泊している。

勝本港から船で10分ほどの場所に「辰ノ島」という無人島がある。大自然の景観や透明度の高い海が美しく、遊覧船でのクルージングが人気。遊覧船は4月から11月までは定期運行、オフシーズンは前日までに2名以上の予約で、乗ることが可能だ。

壱岐の海
透明度が高く、エメラルドグリーンに見える壱岐の海。

勝本のゲストハウスに今夜は宿泊する。先にチェックインを済ませて、いよいよ今回の旅の目的地であるISLAND BREWERYに向かう。

壱岐、勝本の街並み

ISLAND BREWERYの醸造所とタップルーム

長崎県壱岐、ISLAND BREWERY(アイランドブルワリー)

勝本の夜の街を明るく照らす、ISLAND BREWERY。創業130年以上の老舗酒造「原田酒造」酒蔵をリノベーションした醸造所とタップルーム。

スタンディングで、たとえば夕食前の1杯や、逆に2軒目利用などでも、気軽に入ることができる。

店内の雰囲気はオシャレでありつつも、歴史ある酒蔵をリノベーションしたからこその暖かさと懐かしさがあり、ゆったり落ち着いた気持ちでビールを楽しむことができる。

ISLAND BREWERY(アイランドブルワリー)の、GOLDEN ALE
GOLDEN ALE

ISLAND BREWERYのフラッグシップビールであるGOLDEN ALE。「魚に合う」がコンセプトで、麦焼酎に使われる白麹を使用していて、自然な酸味が口の中にフワッと広がる。

ISLAND BREWERY(アイランドブルワリー)のフードメニュー、島のフィッシュ&イカリング
島のフィッシュ&イカリング

壱岐の海の幸、山の幸を使ったフードメニューも。「島のフィッシュ&イカリング」は、GOLDEN ALEはもちろんIPAとも相性バツグン。

ISLAND BREWERY(アイランドブルワリー)の、YUZU CHOCOLATE
YUZU CHOCOLATE

シーズナルビールのYUZU CHOCOLATEは、カカオニブと壱岐産の柚子皮を贅沢に使用したチョコレートビール。カカオの風味がありつつ、爽やかな柚子の香りもあり、すっきりとした味わい。

長崎県壱岐、ISLAND BREWERY(アイランドブルワリー)

醸造スペースも見学させていただいた。タップルームからも、ガラス越しに発酵タンクを眺めつつ、つくりたてのビールを飲むことができる。

以前ISLAND BREWERY代表の原田さんにオンラインで取材させていただき、壱岐や勝本の街に貢献したいという想いはお聞きしていた。壱岐の景色や街並みを自分の目で見て、肌で感じて、そしてタップルームでビールを飲むことができてよかった。

ビールを楽しんだあとは、ISLAND BREWERYの向かい側にある「蔵呑み処らんぷ」で夕ご飯を。

蔵呑み処らんぷ
蔵呑み処らんぷの、壱岐牛のタリアータロウリュウ蒸し

壱岐牛のタリアータロウリュウ蒸しは、熱々のサウナストーンに燻製の香りがする水をかけ、蓋をしてロウリュ。味はもちろん、食べるまでの過程も楽しい人気メニューだ。

蔵呑み処らんぷの、麻婆豆腐

麻婆豆腐も美味しかった。

LAMP壱岐

ISLAND BREWERYや蔵呑み処らんぷのすぐ近く、ゲストハウスのLAMP壱岐に宿泊した。

壱岐の名所を観光

壱岐2日目は、夕方の高速船出発までの間、壱岐のいろいろな観光スポットを巡っていく。

勝本朝市

まずは、朝の勝本の街を散策。

勝本の朝市

勝本の朝市は、江戸時代のくじら組(捕鯨のための経営組織)の頃にはじまり、海産物と農産物を物々交換し合ったところが起源と言われている。

この日は、アーケードの下で、以下の一夜干しなどの海産物が販売されていた。

かもめの朝ごはん

車で、壱岐の主要な港のうちの1つ、郷ノ浦(ごうのうら)の方へ朝ご飯を食べに移動。

壱岐、かもめの朝ごはん

「かもめの朝ごはん」は、漁協内にある食堂。新鮮な魚を使った定食などが食べられる。アジフライは身が大ぶりで、それでいてフワフワとした食感だった。

筒城浜海水浴場

筒城浜海水浴場

筒城浜(つつきはま)は全長約600mで、貝殻が砕けてできた白砂のビーチ。夏には、ビーチ内に海の家ができ、マリンジェットやバナナボートなどのアクティビティも楽しめるとのこと。

筒城浜海水浴場

押し寄せる波もエメラルドグリーンでとても綺麗だ。

小島神社

壱岐、小島神社

壱岐のモンサンミッシェルと呼ばれる小島神社は、満潮時と干潮時で風景が大きく変わる。

潮が満ちているときは、湾に浮かぶ小島と鳥居を眺めることができる。そして、潮が引くと砂浜の参道が現れ、島へ歩いて渡ることができる。

歩いて渡りたい場合は、干潮時間を調べて旅行の日程を組むのがおすすめ。

割烹豊月

壱岐、割烹豊月

お昼ご飯は魚を食べに、ISLAND BREWERYでおすすめしてもらった割烹豊月に。店内には生簀があり、実際に海から汲んできている水のなかで魚が泳いでいる。

壱岐、割烹豊月の海鮮丼

海鮮丼は、大ぶりの身がたくさん乗っている。新鮮な魚は食感が違うんだという気づきがあった。特に観光シーズンは多くの人で賑わう人気のお店とのこと。

一支国博物館

壱岐の旅、最後は一支国博物館へ。

壱岐市立一支国博物館

弥生時代に「一支国(いきこく)」と呼ばれ、中国の歴史書「魏志」倭人伝にも登場する重要なクニだった。交流・交易を行い栄えた一支国の歴史を一支国博物館で垣間見ることができる。

壱岐市立一支国博物館の展望台から見た景色

小高い丘に建つ一支国博物館の展望室からは、壱岐の風景や海を眺めることができる。

郷ノ浦から博多へ

夕方、レンタカーを返却し、郷ノ浦から高速船で博多へ向かう。壱岐に呼ばれているか、つまりは天候がとても重要と聞いてはいたが、終始快晴で良い旅になった。

豊かな自然、綺麗な海、海鮮をはじめとした美味しい料理、そしてISLAND BREWERYのクラフトビールと、たくさんの魅力が詰まった壱岐を体感することができた。

旅行先の候補として、ぜひ壱岐も加えてみていただけたら嬉しい。

ISLAND BREWERY(アイランドブルワリー)/タップルーム
住所:長崎県壱岐市勝本町勝本浦249
営業時間:10:00 – 22:00 (L.O. 21:30)
定休日:-
Web:https://iki-island.co.jp/
Instagram:@islandbrewery
※最新の営業時間等はホームページ、SNS等をご確認ください。

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