私の大好きなブルワリーの1つ、 open air(オープンエア)のブルワリーがにあるので、行ってきました!
廃校をリノベーションした施設内にあるブルワリー。そして歴史ある神戸の街。実際に行ってみて初めて知ったことばかりだったので、その内容を少しだけお届けしようと思います!
open air はどんなブルワリー?
神戸にブルワリーを構える open air(オープンエア)は、2022年から醸造開始。
「多様な人々が時間や空間を共有するオルタナティブな未来を、ビールを通して創りたい」という想いから、「オープネス(開放性)」を大事にしているブルワリーです。
お客さまのアイデアやフィードバックをもとに、常に変化し続けるスタイルで、スタンダードなIPAのほか、旬のホップやハーブを使った新しいタイプのビールも数多くリリースしています。
それぞれのビールのポップなビジュアルも魅力の1つ。ボトルショップで缶ビールのラベルデザインに一目惚れしたのが、私の open air との出会いでした。
open airでヘッドブルワーを務めているのは、ポートランド出身のBen Emrich(ベン・エムリック)さん。
和歌山の「NOMCRAFT BREWING」で醸造責任者として技術を高めた後、open air にジョインされました。
平清盛も愛した、山と川と海に囲まれた場所でつくるビール
ブルワリーから少し歩くと、平清盛像を発見。
1180年(治承4年)に、平清盛は周囲の反対を押し切り、京都から遷都。「福原京」を築いたのが、open air 湊山醸造所がある辺りの、神戸市兵庫区平野でした。
平野に都を築いたのは、南以外の3方向が六甲山などの山々に囲まれた盆地で北風が遮られて温暖で過ごしやすく、敵からの攻撃にも備えやすいのが理由だったとされています。
また、近くを新湊川や石井川といった六甲山系を水源とする河川が流れていて、水量が安定してして水を確保するのに有利だったことも、理由の1つなのではないかとも考えられています。
山と川、そして海に囲まれたこの地を愛して、周りの反対がありながらも遷都を強行した平清盛。
そして、六甲山から流れ込む地下水を利用して美味しいクラフトビールをつくる open air。
街を歩くなかで、神戸の魅力と歴史を感じました。
余談ですが、週刊少年ジャンプで連載中、2024年の夏からアニメ化もされた「逃げ上手の若君」の原作113話で開戦する「湊川の戦い」が繰り広げられたのもこの辺り。
廃校の給食室を改修したブルワリー
open air 湊山醸造所があるのは、2015年に廃校となった神戸市立湊山小学校をリノベーションしたコミュニティ型複合施設「NATURE STUDIO(ネイチャースタジオ)」の一角。
神戸高速鉄道「高速神戸駅」を降りてすぐ、バス停の神戸駅前から市バスに乗って15分くらいでした。
NATURE STUDIO は、「自然と暮らしをつくる」をテーマに、open air のブルワリーのほかに、水族館やフードホール、ハーブショップ、学童や小規模保育などが集結しています。
外観から、小学校だったころの雰囲気を感じれられます。
入り口にはハーブショップが。ハーブだけでなく、コーヒーやお茶や、おしゃれな雑貨などのアイテムもたくさん並んでいて、眺めていて楽しいお店でした。
施設内に水族館もあるのは驚きです。
「みなとやま水族館」はコンパクトな水族館ではあるものの、熱帯魚から淡水魚、さらにはカワウソにゾウガメ、ナマケモノまで、さまざまな生き物を見ることができて、満足度高めでした。
水族館内には椅子も多く置かれていて、床にクッションが置かれているエリアもあり、ゆったりくつろげました。平日は地元の方々の憩いの場に、休日は遠方からも訪れる親子連れで賑わっているそうです。
ブルワリーを発見!作業している様子を外から眺めることができます。
ブルワリーに改修する前は給食室だったため、排水などがしやすくて便利なのだとか。
タップカウンターで出来立てビールを楽しむ!
ネイチャースタジオ内をぐるりと満喫した後は、いよいよお待ちかねのビールの時間です!
フードホールに向かう途中、建物の中にも小学校の面影が残っていて、なんだか懐かしく感じます。
タップカウンターは、体育館を改修したフードホール内にあります。カレーやタコス、スイーツのお店も並んでいて、休日のお昼には、水族館に来た人たちも集まり満席になるとのこと。
この日は平日午前中に訪れたので、フードホール一番乗りでした。
カウンターの壁には、タップに繋がれているビールがポップな手書きのイラストで紹介されていて、これを見ているだけでも楽しいです。
誰かと一緒に来たときには「どれにしよう!これも気になる!」などと話のネタにもなるのかなと想像すると、冒頭でも紹介した open airの「多様な人々が時間や空間を共有するオルタナティブな未来を、ビールを通して創りたい」という想いが現れているのかなと感じました。
夏のシーズナルビール「fireworks(ビアスタイル:IPA)」をいただきました。
真夏のIPAをめざしてつくられたこのビール、ココナッツやグレープフルーツなども使われているようで、すっきりしているけれど苦味もあり、フルーツのジューシーさもあり、まさに夏にピッタリのビールでした。
ビールと一緒にタコスをいただきました。
スパイシーなタコス、トルティーヤが口の水分を若干奪っていったあとにビールをグビっと飲んで潤したら、もう最高でした!
NATURE STUDIO(ネイチャースタジオ)
住所:神戸市兵庫区雪御所町2-18
開館時間:8:00 – 19:00(営業時間は施設により異なります)
休館日:不定休
ホームページ
インスタグラム
※最新の営業時間等はホームページ、SNS等をご確認ください
open air(オープンエア)湊山醸造所
住所:神戸市兵庫区雪御所町2-18
営業時間:11:00 – 19:00、土日祝 10:30 – 19:00
休業日:不定休
ホームページ
インスタグラム
※最新の営業時間等はホームページ、SNS等をご確認ください
open air は、街への想いと、人と人との出会いから生まれたブルワリー
open air は、神戸を中心に街づくりに取り組んでいた村上工務店代表の村上豪英(たけひで)さんと、元NOMCRAFTで現 open air ヘッドブルワーのベンさんの出会いから生まれました。
廃校を利用した「NATURE STUDIO」の企画を進めるなかで、「ここにブルワリーをつくり、ビールが人と人を繋ぐきっかけになって、街に賑わいを取り戻したい」という想いを抱いた村上さん。
醸造技術のアドバイスを得たいと、当時 NOMCRAFT でビールを作っていたベンさんの元を訪ねました。
村上さんの想いを聞いて心惹かれたベンさんは、新たなチャレンジができるのではないかと、なんと open air にジョインすることに!
たくさんの人の想いや歴史がたくさん込められて、だからこんなに美味しいビールが出来るんだと感じたエピソードでした。
open air のビールは日本各地のクラフトビール屋さんのタップに繋がっているのと、ボトルショップにも缶が並んでいるので、見かけた方はぜひ手に取ってみてください!
そして、ぜひ湊山醸造所にも足を運んでみてください!
参考:
神戸市の小学校給食室が醸造所に!「Open Air 湊山醸造所」のクラウドファンディングが4月4日からスタート
故郷の味のフルーツビールで、まちにコミュニケーションを育む-open air(神戸)【クラフトビール採用事例】
神戸市 NATURE STUDIO | 水族館からブルワリーまで。外部からの集客と地元コミュニティを両立する廃校活用の複合施設
平清盛の「福原京」 神戸・平野を選んだ理由に迫る