奈良県のブルワリーやご当地料理を巡る、クラフトビール旅

そうめん處 森正

私の好きなブルワリーの1つである奈良醸造のイベントに参加するために、高校の修学旅行ぶりに奈良を訪れた。イベントは土曜のみだが、せっかくなので一泊して、奈良出身の友人の情報を頼りにブルワリーやグルメを巡ることに。

それぞれのブルワリーで飲むビールはもちろん美味しかったし、今まで知らなかった魅力的なスポットも多かったので、奈良の旅をレポートします!

奈良公園には当たり前のように鹿がいる

奈良公園

時間は土曜の朝6時半ごろ。奈良駅からスタート。人が動き出す前の落ち着いた雰囲気のなか、奈良公園に向かって歩く。奈良といえば鹿というイメージがあるが、道路を我が物顔で横断していた。

奈良公園

これは後で聞いた話だが、自動車で走っているときなども基本的に鹿が優先。鹿が道路を渡っているときは、たとえ信号が青だったとしても渡り切るまで待つ必要があるから大変らしい。

鹿せんべい
奈良公園の鹿

こちらが鹿せんべいを持っていると気付いた途端、多くの鹿が近寄ってくる。愛くるしい光景ではあるものの、あくまで目当ては鹿せんべい。ちょっとだけ複雑な気持ちになる。

東大寺

東大寺は、4月から10月は7時半から、11月から3月は8時から拝観できる。拝観時間を迎えてすぐの東大寺へ。まず、門からデカい。南大門の高さは壇の上の部分で25.46mもあるとのこと。下から覗き込むと、柱の高さと太さに圧倒される。

東大寺

東大寺といえば「柱の穴くぐり」。大仏殿の柱に空いている穴をくぐり抜けられると、無病息災や願いが叶うといわれている。高校生のときはくぐれた気がするが、今の私にはどう頑張っても難しく、成長を感じられた瞬間だった(縦にも横にも)。

だいたい8時半くらい、東大寺を後にする頃にはすでに観光する人で混み始めていた。早めに行っておいてよかったなと思いつつ、朝ごはんを食べられるお店探しは逆に苦戦。だいたいのお店がまだ開店前だった。

オランキパーラー

近鉄奈良駅のすぐ近くの、変なホテル奈良に併設されているカフェ「オテンキパーラー」でモーニングにありついた。宿泊していなくても、ハーフブッフェを食べられる。お腹を満たして、今回の旅のメインの目的である奈良醸造のイベント「ビアアフターサウナおかわりに。

奈良醸造を愛する人々が集結するイベント

奈良醸造

奈良醸造のクラフトビールをジャケ買いしたのが、私がクラフトビールにハマったきっかけだったりする。そんな奈良醸造のタップルームに実際に足を運ぶのも念願だった。

BEER AFTER SAUNA おかわり

多くの人がイベントに集まっていた。話を聞いていると、全国いろいろなところから来ているようだ。ビールも30種類以上つながっていて、少し前にリリースしていてもう飲むことはできないと思っていたビールもあって、驚き。

詳しい様子は別記事で紹介しているので、ぜひご覧ください。

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この日は4月の下旬だったが、間違いなく夏日。絶好のビールとサウナ日和だったと思う。クールダウンしつつ、バスと電車を乗り継いで、次の目的地である「長龍ブリューパーク」へ。

長龍ブリューパークへ

長龍酒造

歴史ある酒蔵として元々日本酒をつくっていた長龍酒造。2021年から「CHORYO Craft Beer」としてクラフトビールも醸造している。

長龍酒造の全てを楽しめるのが「長龍ブリューパーク」。建物のすぐ目の前に人工芝の広場とベンチがあって良い感じ。タップルームで購入したビールとハンバーガーをピクニック気分でいただく。通り抜ける風がとても気持ち良い。

長龍ブリューパーク
長龍ブリューパークのフードメニュー、ハンバーガー
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奈良県広陵町

長龍ブリューパークがある奈良県広陵町は「かぐや姫の里」と呼ばれている。竹取物語に登場する竹取翁とかぐや姫が住んでいたのが広陵町という説があるからだ。

奈良県広陵町
はしお元気村という建物で、巨大かぐや姫を発見。

薬草のまちでつくるハーバルビール

近鉄田原本線・橿原線で榛原駅へ。そこからバスに乗り、今日の最後の目的地の奥大和ビールに。ちなみに橿原は「かしはら」、榛原は「はいばら」と読む。奈良の地名、難読すぎやしないか。

奥大和ビールがある奈良県南東部の奥大和地域・宇陀市は薬草のまちとも言われていている。地元の果物や薬草、吉野杉や檜などをつかったビールを3種飲み比べでいただく。どれもユニークな味わいで美味しかったのだが、特に小麦の白ビール「アロマホワイト」の香りの良さに驚かされた。

奥大和ビールのクラフトビール飲み比べセット
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奥大和ビールの近くにある温泉で1日の疲れを癒し、眠りについた。

自然とアートが調和した公園へ

2日目。行っておきたかったブルワリーは昨日巡ることができたので、今日は観光とグルメをメインに奈良を散策していく。まずは「室生山上公園芸術の森」へ向かう。

室生
室生

電車の最寄りは近鉄大阪線・室生口大野駅。そこから室生川沿いを走るバスに揺られること、だいたい15分くらい。近くには室生寺や室生龍穴神社といった寺社もあり、海外から観光に来ている人も多くバスに乗っていた。

室生

奈良といえば陀羅尼助(だらにすけ)と、来る前から聞いていた。古くは飛鳥時代から奈良県の洞川で伝承されてきた伝統的な和漢胃腸薬だ。

室生

室生山上公園芸術の森へは、バス停からさらに山道を登っていく。道中、本当にこの道で合っているのかと心配になることもあったが、看板を頼りに登っていく。

室生山上公園芸術の森

旧室生村出身の井上武吉氏と、イスラエル出身のダニ・カラヴァン氏、世界で活躍する彫刻家の2人によって設立された公園。公園内の至るところにオブジェが点在している。

室生山上公園芸術の森

それぞれのオブジェで記念写真を撮る人たち。ベンチや芝生に腰を下ろして休憩する人たち。思い思いに過ごす心地よい時間が流れていた。

室生山上公園芸術の森

室生山上公園芸術の森
住所:奈良県宇陀市室生181番地
開園時間:4月から10月 10:00 – 17:00、3月・11月・12月 10:00 – 16:00
休園日:毎週火曜日(火曜日が祝日の場合はその翌日)および12月29日~2月末日
観覧料:大人410円、高校生200円、中学生以下無料 ※現金のみ
Web:https://www.city.uda.lg.jp/soshiki/30/3665.html
X:@m_artforest
※最新の営業時間等はホームページ、SNS等をご確認ください。

日本三大そうめんの1つ、三輪そうめん

奈良県はそうめんも有名。播州手延べそうめん(兵庫県)、三輪そうめん(奈良県)、小豆島そうめん(香川県)が三大そうめんと呼ばれている。バスと電車とシェアサイクルを使って、JR万葉まほろば線「三輪駅」近くに。

このJR万葉まほろば線の本数の少なさが、今回の旅の一番のネックとなった。電車を待つと、どうしても時間をロスしてしまうためシェアサイクルを活用。

そうめん處 森正

「そうめん處 森正」に。お昼時を少し過ぎていたので、5分程度の待ち時間で入店することができた。あたたかいそうめんの「にうめん」は、あっさりとしたお出汁が身体に染み渡る。同じく奈良名物の柿の葉寿司をセットにすることもできる。

そうめん處 森正

そうめん處 森正
住所:奈良県桜井市三輪535
営業時間:平日 10:40 – 15:30、土曜:10:30 – 16:00、日曜 10:00 – 16:00、祝日 10:30 – 16:00、朔日 7:45 – 13:30
定休日:月、火曜
Web:https://www.morishomiwa.net/
※最新の営業時間等はホームページ、SNS等をご確認ください。

日本最古の道を歩く

三輪明神 大神神社

そうめん處 森正のすぐ近く、大神神社(おおみわじんじゃ)の参道を抜けて「山の辺の道」を歩く。奈良盆地の東の山裾を縫うように南北に走る古道。日本最古の道とも言われている。

山の辺の道

道沿いには万葉集ゆかりの地名や古寺、古墳などが点在している。歩を進めるほど、自然が豊かになっていく。

山の辺の道
山の辺の道

せっかくなら天理駅の方まで歩きたいところではあるが、この後の予定の兼ね合いもあり、道を途中で外れて、大和郡山市方面に。ちなみにここでもシェアサイクルが大活躍した。

山の辺の道

大和郡山と金魚ストリート

K COFFEE

近鉄郡山駅の近くの、気になっていたコーヒーショップ「K COFFEE」に。これは完全に事前のリサーチ不足だったのだが、イベント出店でこの日はお休みだった。ガソリンスタンドをリノベーションしたお店が印象的。オープンしているときにまた訪れたいものだ。

K COFFEE

K COFFEEのある柳町商店街を歩いていると、気になる本屋さんを発見。

本屋とほん

店名の「とほん」には、「人とほん」「空とほん」「明日とほん」など、いろいろなものごとに「と、ほん」と繋がっていけたらという想いが込められている。

本屋とほん

個人的には店内で流れているBGMがとても好みだった。何という曲だったのか、あのとき聞いておけばよかったなと後で少し後悔。旅行中はあまり荷物を増やしたくないのだが、気になった本をつい購入してしまった。

店内で販売されている栞やポストカードなど、金魚のデザインのものが多いことに気がついた。

大和郡山、金魚ストリート

なんなら、店先でも金魚が泳いでいる。聞くと大和郡山は金魚の産地で、お祭りの金魚掬いなど多くはこのあたりで養殖されているとのこと。柳町商店街は金魚ストリートとも呼ばれている。

本屋とほん
住所:奈良県大和郡山市柳4-28
営業時間:11:00 – 17:00
定休日:木曜
Web:https://to-hon.com/
Instagram:@tohontohon
※最新の営業時間等はホームページ、SNS等をご確認ください。

スタミナ満点の天理ラーメン

やはりご当地ラーメンは食べておきたい。2人以上におすすめされたのなら、尚更だ。というわけで、奈良県内にいくつか店舗がある彩華ラーメンの本店へ。

彩華ラーメン

昭和43年に、奈良県天理市の屋台から生まれた彩華ラーメン。天理ラーメンという通称でも親しまれている。自家製醤油ダレとニンニクが利いたスープに、たくさんの白菜、豚肉、ニラなどの具材を炒め入れて、辣醤(ラージャン)という調味料で辛味をつけているのが特徴。

彩華ラーメン

ニンニクとたっぷりの野菜でスタミナ感満載。辛味も利いていて、汗が滲み出てくる。

彩華ラーメン 本店
住所:天理市岩室町91番地
営業時間:11:00 – 24:00
定休日:無し
Web:https://www.saikaramen.com
※最新の営業時間等はホームページ、SNS等をご確認ください。

旅の最後は温泉で

奈良健康ランド

旅の最後は温泉で締めくくりたくなる。彩華ラーメン本店から歩いて20分ちょっとの「天然大和温泉 奈良健康ランド」へ。10種類のお風呂があり、サウナも充実している。東京に戻る前に、さっぱり汗を流して、歩いた身体も癒すことができた。

天然大和温泉 奈良健康ランド
住所:奈良県天理市嘉幡町600-1
営業時間:24時間営業
定休日:無し
Web:https://www.narakenkoland.net/
Instagram:@narakenkoland
※最新の営業時間等はホームページ、SNS等をご確認ください。

あとがき

大満足の奈良の旅だった。地図を見ると一目瞭然なのだが、奈良県は森林が県の約80%を占めている。ちなみに奈良県の総面積は3,691㎢で全国40位なのだが、人が住める可住地面積は851km²で、全国で最も小さくなっている。

森に囲まれた県だからこそ、吉野杉といったブランド杉があったり、その杉を使ったビールをつくっているところもあったり。

奥大和ビールよりもさらに山間部にある「グットウルフ麦酒」など、移動時間等の都合で行けなかった場所もまだまだあるので、また奈良を訪れてみたい。

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