しまなみ海道をドライブしブルワリーを巡り、尾道で開催される「せとだレモンマラソン」に参加する合計3泊4日の旅。1日目は、新尾道からレンタカーに乗り、愛媛県西条市の GROUNDTAP BREWERY(グランドタップブルワリー)に立ち寄り、西条で一泊した。

二日目。再びしまなみ海道を走って新尾道駅まで戻り、レンタカーを返して尾道駅へ。
尾道は書店が多い
広島県の東部、岡山県寄りに位置している尾道市。本土の「おのみちエリア」と、しまなみ海道沿線の向島、因島、生口島などの島々を含む「しまなみエリア」と大きく2つに分かれている。
尾道は「寺の街、坂の街」と呼ばれているが、特におのみちエリアには千光寺など古寺が多く、また山と海に囲まれたエリアなので坂道も多い。坂を登って振り返ると、街並みと海を見渡せてとても気持ちが良い。
しまなみエリアの生口島(瀬戸田)には明日マラソンで行くので、今日はおのみちエリアを巡っていく。
ENTRANCE
今回で尾道に来るのは二度目なのだけれど、本屋さんが多い街な気がしている。大型書店や世間一般的な本屋さんはあまり見かけないけれど、小さな本屋さんが多い印象。
最初に、尾道の商店街を駅側からだいたい10分くらい歩いたところにある「ENTRANCE(エントランス)」へ。カフェ、ショップ、ギャラリー、ワークショップスペースなど色んなことができる複合スペース。

リソグラフ(デジタル孔版印刷機)が置かれていて、印刷体験ができたり、実際にこのリソグラフを使って作ったZINEが店内で販売されていたりする。
「ENTRANCE」という名前は、出会いや発見、交流や憩いの入り口なる場所をつくりたいという想いから。インスタで見かけて気になっていたので、この機会に来ることができてよかった。終始多くの人が訪れて、店内のZINEやTシャツなどを手に取っていた。

おそらく尾道で暮らしているであろう人などの、色んな人がつくった色んなものが置かれていて、見ていて楽しかった。
「GUYDES – CITY GUIDE of ONOMICHI」を購入。台湾の友人に向けた手作りの個人的な尾道ガイドブックらしい。尾道に来るならしばらく滞在するのがおすすめで、ピンポイントで来るとなにもないときは本当に何も起きないし、起きるときは起きると書かれていた。
前回尾道に来たときに、平日の曜日によっては商店街のお店がほとんど閉まっているんだなと思った記憶が蘇ってきた。
ENTRANCE
住所:広島県尾道市土堂2-3-27
アクセス:JR山陽本線「尾道駅」から徒歩13分ほど
Instagram:@entrance_onomichi
Web:https://entrance-onomichi.com/
紙片
次は「紙片」という本屋さんへ。「あなごのねどこ」という細長いゲストハウスの、人とすれ違うのも一苦労な通路を通った奥の方にある。初めて来たときは本当にこの奥にお店があるのかと不安になったけれど、紙片は前回の尾道ぶりの2度目なので、自信を持って進んでいける。
ゆったりとしたBGMが流れる店内。連休1日目の昼過ぎということもあり、以前よりも多くの人が本を眺めていた。少し落ち着いたタイミングで来れると、よりゆっくり本を選べるかもしれない。

この前はミヒャエル・エンデの「モモ」を買って、帰りの新幹線で読んでいたことを思い出した。(そういえば先日、本棚の整理をしたがモモが見つからなかった。どこへ行ったんだろう)
紙片
住所:広島県尾道市土堂2-4-9
アクセス:JR山陽本線「尾道駅」から徒歩14分ほど
Instagram:@shihen_onomichi
弐拾dB
デシベル(dB)は音の大きさを表す単位。本のページをめくるときの音がだいたい20dBで、それが店名の由来だったと記憶している。土日は昼間、平日は深夜に営業している珍しい本屋さん。
診療所として使われていた建物を改装した店内には、至るところに本がずらりと積み重ねられているのに加えて、薬袋や薬瓶など当時の面影を感じられる道具がちらほらと。
この日は土曜日だったので昼間に訪れたが、平日に尾道で宿泊して、今度は深夜に来てみたいものだ。本を選んでいる最中、店主さんと、なかなか帰らない常連さんのコミカルな会話が繰り広げられていた。横で聞いている分には楽しいけれど、店主さんはちょっと大変そうだった。

弐拾dB
住所:広島県尾道市土堂2-4-9
アクセス:JR山陽本線「尾道駅」から徒歩20分ほど
Instagram:@mototugufujii
Web:https://20db.stores.jp/
尾道には他にも、古本とワインのお店「Book&Wine ターゲブーフ」や、新刊書店とカフェのお店「Books&Cafe 灯書堂」など、徒歩圏内に個性豊かな本屋さんが多くある。本が好きな人は、活版印刷体験ができる「活版カムパネルラ」などに行ってみても楽しいかもしれない。
創業100年以上の蒲鉾屋さん
引き続き尾道の商店街を散策する。おすすめしてもらった「桂馬蒲鉾商店」へ。大正2年(1913年)創業。
屋号には「桂馬のように、前向きで個性的に」という想いも込められている。(将棋の桂馬は駒の中で唯一他の駒を飛び越えて進むことができ、また後ろに下がることができない)
瀬戸内以西で水揚げされた魚が毎日お店に届き、化学調味料や保存料は使用せず、天然昆布の出汁と天塩で調味している。また、水揚げされる魚は1日として同じものはないからと、その日その日で配分など調整しているとのこと。

お休み処が店舗の向かいにあり、トースターも置かれているので、購入した蒲鉾を温めて食べてみたところとても美味しかった。

桂馬蒲鉾商店
住所:広島県尾道市土堂1-9-3
アクセス:JR山陽本線「尾道駅」から徒歩6分ほど
Instagram:@keimakamaboko
Web:https://www.keima-kamaboko.com/
尾道でクラフトビール巡り
Beer Bar a clue
尾道ブルワリーを覗いてみたら満席だったので、先に「Beer Bar a clue (ビアバークルー)」へ。福岡の「NEKOBEER」のビールが定期的につながっているよう。尾道は猫の街とも呼ばれているから、猫つながりなのだろうか。
店内には、ランニングシューズを履いている人もちらほら。明日レモンマラソンを走る人のような気がする。尾道での1杯目は「NAMACHAん Brewing」のビールにした。めちゃくちゃ東京、なんなら地元のブルワリーなのだけれど、あえて尾道で飲むというのも乙なもので。

Beer Bar a clue (ビアバークルー)
住所:広島県尾道市土堂2-6-7
アクセス:JR山陽本線「尾道駅」から徒歩12分ほど
Instagram:@beerbaraclue
尾道ブルワリー
建物の入り口から、細い通路を奥へと進んでいくとタップルームの扉が現れる。席もちょうど空いていた。「尾道ブルワリー」は2021年2月にオープンしたブルワリー。

スッキリとおかわりしたくなるような「メイドイン尾道」のビールをつくっている。最初に飲んだ「尾道エール」には、尾道産のレモンが使われていて、爽やかな味わい。季節によって使うレモンが変わるらしい。
広島県はレモンの生産量が日本一で、特に生口島(瀬戸田)で栽培が盛ん。瀬戸内海の温暖で雨が少ない気候と、水はけの良い急傾斜地が、レモンの栽培に適している。

次に飲んだのが、いりこの取扱量日本一と言われる尾道ならではの「尾道いりこラオホ」。名前からクセが強いんじゃないかと想像したが、意外とすっきり飲みやすく驚いた。
隣の席が地元の常連さんで、柑橘を使ったビールの仕込みのお手伝いをしたことなど、色んなことを聞くことができた。尾道ラーメンでおすすめのお店はあるかと訊ねたら、尾道ラーメンならここというお店が最近閉店して、地元の人も好みのお店が分かれているようなことを教えてもらった。



尾道ブルワリー
住所:広島県尾道市久保1-2-24
アクセス:JR山陽本線「尾道駅」から徒歩17分ほど
Instagram:@onomichibrewery_
Web:https://onomichibeer.com/

明日がマラソン本番だということを少し忘れかけていたが、尾道ブルワリーの常連さんと完走を誓って、ホテルがある尾道駅の方に戻る。帰りがけに「ピッツェリア トランクイッロ」で夕ご飯。本場ナポリ仕込みの石窯ピッツァを堪能。
ピッツァはイタリア由来の呼び方、ピザはアメリカ由来の呼び方らしい。
瀬戸内海を眺めながら走る、せとだレモンマラソン
朝の8時ごろ。尾道から瀬戸田港へのフェリーの臨時便に、これから同じく走るであろう人たちと一緒に乗り込む。だいたい40分くらいの船旅。



甲板で記念撮影する人も多かった。しばらくすると、生口島と高根島を結ぶみかん色の高根大橋が見えてきた。マラソンのコースに含まれているので、後々この橋の上を渡ることになる。

しまなみ海道だと、尾道側から数えて3つめの島である生口島。島の名前は生口島だけれど、住所としては瀬戸田町なので、瀬戸田と呼ばれることが多い。
尾道ブルワリーのところで書いたように、レモンの生産量が日本一の島。外周34キロメートルくらいで、サイクリングを楽しむ人にも人気の島。瀬戸田は以前も1度来たことがあり、そのときは自転車を借りて、「瀬戸田サンセットビーチ」や「耕三寺」「未来心の丘」などを巡った。
耕三寺には「千佛洞地獄峡」という、深さは地下約15メートル、全長350メートルの洞窟があったり、未来心の丘は一帯が白い大理石の彫刻の庭園になっていたりしてとても見応えがあるので、瀬戸田に訪れた際はぜひ覗いてみていただきたい。

2023年に第1回が開催され、2026年に4回目を迎えたせとだレモンマラソン。生口島と隣の高根島の、主に海沿いを走るコース。
マイボトルやマイカップの携帯がルールで定められていて、大会中にできる限りゴミが出ないようにしているなど、他の地域から大会に参加しに来た人たちだけでなく地元の人々にとっても誇りに思えるような大会運営をしていると聞いて、一度参加してみたいと思っていた。
生まれて初めてのハーフマラソンだったけれど、海を眺めながら走るんだったら頑張れそうな気もしていた。そして完走後にクラフトビールで祝杯をあげることが一番の目的で、打ち上げの体力を残しておく必要があったため、そのためのトレーニングもそれなりに積んできた。




瀬戸田港近くの「OVERVIEW COFFEE」でコーヒーを買って、海沿いのベンチに座り、後続のフェリーで瀬戸田に上陸する人たちを眺めたりして過ごしつつ、いよいよ号砲が鳴る。
走りつつ、立ち止まって写真を撮りつつで、マイペースにラン。コース序盤が高根島を登って下ってで意外と大変。

最近は給水所ではなくエイドステーションと呼ぶんですね。柑橘の島らしく、各エイドステーションでは色んな種類のカットされた柑橘が並んでいたり、冷凍みかんがあったり、水のほかにみかんジュースが飲めたり。




昨日は愛媛県で目にした今治造船の工場。ここから見えるのは広島工場だろうか。遠くにあるのは生口島と大三島を結ぶ多々羅大橋だろうか。しばらく走っては立ち止まり、景色をシャッターに収め、また走り。
後半はほとんど歩いていたけれど、折り返してきた人にすれ違いざまに応援の声をかけてもらって、なんとかゴール。655人中523位、タイムは2時間55分56秒でした。
完走さえできたら良いと思っていたけれど、こうして記録を見てみるともっと上位に入りたかったなと思えてくるから不思議。

マルシェイベントも同時に開催されていて、走らない人も楽しめるせとだレモンマラソン。「CHARLES BREWING」という、初めて目にするブルワリーのビールが販売されていたので、完走を祝して乾杯。
宿泊もできる島の銭湯「yubune」で汗を流し、初めてのハーフマラソンを走りきった足を癒し、瀬戸田を後にして尾道に帰還。夕暮れ時の尾道水道の景色を眺めつつ、あっという間の一日を振り返る。


クラフトビールで打ち上げ
尾道に戻り、まずは夕ご飯。鉄板焼き屋さんで尾道焼きなるものを食べた。砂肝とイカ天を入れるのが特徴らしい。
そして、毎週日曜の夜だけポップアップで「BEER BAR THUMBS UP」がオープンしていると知って、昨日昼間に来た ENTRANCE に再び。尾道にある「しまなみブルワリー」で醸造家として働く店主が、お気に入りのブルワリーのクラフトビールを取り揃えてポップアップしているという。

なんと今年の秋ごろに、「THUMBS UP」として尾道の商店街に実店舗オープン予定。しまなみブルワリーはタップルームがないので、しまなみブルワリーのビールがタップから常時飲めたりするのだろうか。どちらにせよ、また尾道に行く理由ができた。
尾道ラーメンで〆る
一夜明けて、旅の最終日。適度な筋肉痛。少なとも今日はまだ歩けそうで一安心。最後に尾道ラーメンを食べよう。

尾道水道沿いにある「尾道ラーメンたつみ」で、3日ぶりの尾道ラーメン。あっさりした醤油味だけれど、背脂のコクがあって、やっぱり美味しい。

もう1つ、尾道に行ったらこれは食べておけと言われていたことを思い出して、駅前のお土産やさん「尾道ええもんや」で、はっさく大福を購入。八朔のほろ苦さが白餡とマッチしている。
八朔は、江戸時代に尾道市の因島のお寺の境内で偶然発見された、日本原産の柑橘だという。八月朔日(旧暦の8月1日)頃に食べられることから、八朔と名付けられた。

岡山へ
あとは東京に戻るだけなのだけれど、せっかくなので岡山で少しだけ途中下車してからにしようと思う。岡山城を眺めて「Kawazu Brewing (カワズブルーイング)」で昼飲みする番外編に続く。

