まずは讃岐うどん
兵庫から岡山を経由して、香川の高松駅に向かう予定だった。マリンライナーに乗って、瀬戸大橋を渡りたかったから。
1988年に開通した瀬戸大橋。上が瀬戸中央自動車道、下が鉄道になっていて、道路・鉄道併用橋としては世界最大級。塩飽諸島の櫃石島、岩黒島、羽佐島、与島の4つの島をつたって、岡山県倉敷市児島と香川県坂出市を結ぶ。3つの吊橋、2つの斜張橋、1つのトラス橋があり、この6つの橋を総称して「瀬戸大橋」と呼んでいる。
この瀬戸大橋を通る快速マリンライナーが、なんと強風で運転見合わせ。
高松に行く代わりの方法は無いかと探したところ、神戸三宮から高速バスに乗ればどうにか行けそうだとわかり、急遽バスを予約。16時ごろ三宮バスターミナルを出発し、19時ごろに高松に着いた。

香川といえばうどん。高松駅の近くにあった「こだわり麺や」でうどんを注文。中盛りですらなかなかのボリューム。弾力のある麺、いりこ(煮干し)を使った出汁が讃岐うどんの特徴。
香川は温暖で雨が少なく、昔から小麦づくりに向いた地域だったこと。瀬戸内では塩づくりや醤油づくりも盛んで、出汁に使ういりこもよく採れる地域だったため、うどん文化が根付いたと言われている。
オーロイブルーイングのタップルーム、OHLOY STORE
瀬戸内各県のブルワリーへ行ってみたいと、今回の高松旅を思い立った。ほかに行ったところだと、淡路島、愛媛、広島あたり。



高松駅から歩いて15分くらいのところにある「オーロイブルーイング」の直営タップルーム「OHLOY STORE」へ。

ガラス張りで開放感があるお店は、中が覗けて入りやすい。店内から外を眺めつつビールが飲めるので、ガラス張りのお店は個人的にはけっこう好き。

ほろ苦ビターな「Bit Lit」。この後夕ご飯を食べつつまた飲むであろうことを考えると、アルコール度数が低めなのがちょっとありがたい。なんて言うと先ほどのうどんは何だったのかとも思うだろうが、せっかくの旅先なので、夕ご飯を2回食べることになっても致し方ない。
店員さんと常連さんの「昨日はどこで飲んだ」とか「今日はこれからこのお店に行く」みたいな会話に耳を傾けていたら、「観光の方ですか?」と声をかけてもらった。
これから夜ご飯を食べにいく予定なのと、一泊して明日は讃岐うどんを食べたいと話すと、おすすめのお店をいくつか教えてもらえたので、さっそくマップにピンを立てた。

オーロイブルーイング / OHLOY STORE
住所:香川県高松市内町3-4
アクセス:JR「高松駅」から徒歩15分ほど
Instagram:@ohloybrewing
Web:https://ohloybrewing.com/
カズマートで夕ご飯、そのあと銭湯へ
カズマート
オーロイブルーイングで教えてもらって、すぐ近くにある「カズマート」へ。こう言ってはあれなんですが、おすすめされていなかったら旅先では入らないタイプのお店。

ただ、ここは料理がどれも美味しくて。「えのき唐揚げモッツァレラソース」はサクサクのえのきの旨みが溢れ出して、チーズソースでさらに濃厚。
オーロイブルーイングの「Soleadon(ソレアドン)」を一緒に。アメリカンホップとベルジャン酵母を使用した、American Belgo Style Ale というスタイルのビール。

ほかにも、「スモークハマチ胡椒タタキ」と「白味噌カレーおうどん」をいただいて大満足。
カズマート(KAZMART)
住所:香川県高松市片原町9-15
アクセス:JR「高松駅」から徒歩15分ほど
Instagram:@kazmart_0000
吉野湯
今夜泊まるゲストハウスはシャワーのみなで、湯船に浸かりたいなと思い、近くを検索して出てきた「吉野湯」であたたまっていくことに。時間が許すのなら、温泉や銭湯は積極的に立ち寄りたい派。

昔ながらの銭湯といった感じ。とっても浅い湯船が1つあって驚きつつ、高速バスでの移動諸々の疲れを癒す。
脱衣所で、観光で海外から来ていた人に「地元の人ですか」と話しかけられた。その後どんな話をしたかはすっかり忘れてしまったのだけれど、その人が日本の銭湯文化を満喫している様子で、なんだか嬉しくなった。
吉野湯
住所:香川県高松市城東町1-2-10
アクセス:JR「高松駅」から徒歩20分ほど
高松港でフェリーを眺める

翌朝は少し早めに起きて、海を眺めに行く。昨日までの強風も落ち着いて波も穏やか。
四国の玄関口とも呼ばれる高松港は、小豆島、直島、豊島、女木島、男木島など香川の離島へ向かうフェリーや高速船の発着地。また神戸と高松を結ぶ船もある。
過去には宇高連絡船という、岡山の宇野港と高松港を約1時間で結ぶ国鉄・JR直営の鉄道連絡船が就航していて、デッキで食べる「連絡船うどん」が旅の名物だったらしい。宇高連絡船は、1988年の瀬戸大橋の開通によって使命を終えて廃止となった。
食べられるうちに行っておけばよかった、とすら思わないくらい前の話ではあるが、瀬戸内を渡る船の上でうどんを食べるというシチュエーションには憧れる気持ちもある。


船が続々と到着し、人や自動車を乗せてまた島へと出発していく。
港から伸びている長さ540メートルの「玉藻防波堤」遊歩道になっていて、先端まで歩いていくことができる。それなりに朝早い時間帯だったが、自分と同じように散歩している人や、ランニングしている人も多かった。
往復1キロメートル程度なので、確かにランニングコースとしてはとても気持ちが良さそう。

防波堤の先端にあるのが、高松港玉藻防波堤灯台。通称せとしるべ。世界初のガラス灯台で、高さは14メートル。夜になると赤く光り輝く港のシンボル。

ちなみに昨晩、港の方から眺めたところ、こんな感じだった。

あまりに風が強く寒かったので、もっと近づいて眺めたい気持ちはとてもあったのだが断念した。

港という場所はやっぱり良い。海を目の前にして、遠くから近づいてきて、そしてまた遠くの方へ離れていくフェリーを眺めているだけでいくらでも過ごせる気がする。そして、港街だからこその仕事があるんだなと思ったりもした。
ここでずっとゆっくりしていたいけれど、時間も限られているので高松の商店街の散策に向かう。しばらく前にオンラインショップで購入した「こんまい高松マップ」を携えて。
高松の商店街を散策して、骨付鳥を食べる
有名な商店街といえば、どこを思い浮かべるだろうか。東京一長いという「戸越銀座商店街」や、京都の「錦市場商店街」あたりはパッと浮かんだりする。
高松中央商店街は、総距離が2.7キロメートルあり、日本一長いアーケード街と言われている。8つの商店街が合わさっている。

うどんを食べるために、オーロイブルーイングで教えてもらった「麺処 綿谷」に向かったのだが祝日のためお休みだった。ちなみにこの後、ほかにも教えてもらったうどん屋さんをいくつか回ったのだが、軒並みお休みだった・・・
祝日は定休日のお店が多いのか、もしくは麺が売り切れておしまいになってしまっていたのか。

骨付鳥 一鶴
気を取り直して、香川県丸亀市発祥のご当地グルメの骨付鳥を食べに「骨付鳥 一鶴」へ。
骨付鳥が食べられるお店はたくさんあるのだけれど、千葉県勝浦の「EDOYA」というセレクトショップで「21世紀の日本地図」という本を見かけて購入して、そこに載っていたので、一鶴で骨付鳥を食べることにした。
旅先で出会ったこと、知ったことが、次の旅につながっていたりする。

もも肉を丸ごと一本スパイシーに味付けして、香ばしく焼き上げた骨付鳥。親どりと若どりの2種類から選ぶことができる。
なにぶん初めて食べるので、親どりを選んでみたところ、なかなかに歯応えがある。骨から引き剥がすのにも苦労するほど。一方で噛むほどに染み出す旨み。スパイシーさも相まって、ビールがすすむ。
後日東京の物産展で骨付鳥をまた見かけたので、今度は若どりを選んでみたところ、だいぶ柔らかかった。食べやすさ重視なら若どりを、食べ応え重視なら親どりを選ぶと良いのかもしれない。
骨付鳥 一鶴 高松店
住所:香川県高松市鍛冶屋町4-11
アクセス:JR「高松駅」から徒歩15分ほど
Web:https://www.ikkaku.co.jp/
VITAMIN COFFEE

コーヒーブレイク。なぜブレイク(break)なんだろうと思ったら、「壊す」という意味のほかに「区切る」という意味合いもあるらしい。仕事を一度中断して、コーヒーでリフレッシュするから、コーヒーブレイク。
そうだとすると、骨付鳥を食べてきただけで特に仕事なんてしていないから、コーヒーブレイクというと齟齬があるのかもしれない。

どうしてこんなことが気になったかというと、「VITAMIN COFFEE」と書いてバイタミンコーヒーと読むというのを、ショップカードを見て知ったから。ビタミンはイギリス英語での発音、バイタミンはアメリカ英語での発音に近い。
香川出身のアーティスト・猪熊弦一郎の「アートはバイタミン」という言葉が店名の由来だという。
窓から差し込む光が柔らかい。夕方16時くらいの電車に乗って帰るので、高松にいるのも残り3時間くらい。コーヒーを飲みつつ活力をチャージ。
VITAMIN COFFEE
住所:香川県高松市瓦町2-12-6
アクセス:JR「高松駅」から徒歩25分ほど
Instagram:@vitamin_takamatsu
本と過ごす自分時間

本屋 ルヌガンガ
引き続き、商店街のアーケードの下を通る。次の目的地は「本屋 ルヌガンガ」。今回の旅の相棒の「こんまい高松マップ」は、この本屋さんのオンラインショップで購入した。

カフェもあって、購入した本を読みながらゆっくり過ごすこともできる。商店街もだいぶ奥の方まで歩いてきて、あとは駅の方に戻るだけなので、気にせず荷物を増やすことができる。
「ぼくのコーヒー地図」という喫茶店を紹介している本に、「直島島島図鑑」と「高知日曜市の歩き方マップ」と、ポストカードを何枚かお土産に購入。高知の方もまた行ってみたいな。

本屋ルヌガンガ
住所:香川県高松市亀井町11-13
アクセス:JR「高松駅」から徒歩25分ほど
Instagram:@lunuganga_books
Web:https://www.lunuganga-books.com/

珈琲と本と音楽 半空

高松駅まで戻る途中、もう1箇所だけ寄り道。半空は、なかぞらと読む。
階段を登って、しっかりとした扉を開けて店内に入る。冒頭でガラス張りのお店が好きと書いたように、店内の様子が外から見えないタイプのお店に初めて入るときは躊躇いがちなのだけれど、ここはなんだか扉を開けるのがワクワクした。
旅先だからという高揚感もあるのかもしれない。

元々はバーだったという店内。壁一面の棚に本がずらりと並んでいる。カウンター席に座って、珈琲を注文。店内の本は自由に読めるということで眺めていると、好きな作家さんの読んだことがない本を発見したので手に取る。
だいたい30分くらいの滞在だったけれど、だいぶ本に集中できた。今度はもう少しゆっくり過ごしたいなと思った。
珈琲と本と音楽 半空
住所:香川県高松市亀井町11-13
アクセス:JR「高松駅」から徒歩20分ほど
Instagram:@nakazora_coffee_book_music
Web:https://www.nakazora.jp/nakazora/
オーロイで旅の締めくくりの一杯

最後にもう一度 OHLOY STORE に立ち寄って、「Seki(スタイル:West Coast IPA)」を。Seki の缶ビールのラベルには、盆栽のイラストが描かれている。高松は盆栽も有名で、生産量日本一。
昨日教えてもらった「カズマート」へ行ったことや、うどん屋さんはお休みだったことなど、旅の内容を報告。今度は島の方にも行ってみたいなと話しつつ、高松を後にする。


帰り際、駅の近くのお土産屋さん「shikoku meguru」に立ち寄ると、お酒コーナーに四国のブルワリーのビールがたくさん。先ほど飲んだ「Seki」もあった。

マリンライナーで岡山へ

昨日は強風で断念したマリンライナーだけれど、この日は問題なく運行していた。オーロイブルーイングでクラフトビールを飲むことと、マリンライナーに乗ること、両方の目的を達成することができた。瀬戸大橋から眺める瀬戸内海はとても穏やかで、瀬戸内に移住する人が多い理由がなんとなくわかるような気がした。
小豆島や直島、あとは豊島の方にも渡ってみたいし、四国だと高知の方にも行ってみたい。一生のうちのどこかで四国八十八ヶ所巡りをしてみたい気持ちもある。行きたいところが多くて大変だ。

